후리가나로 읽는 일본 고전
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めいじかいか あんごとりもの
明治開化 安吾捕物
坂口 安吾의 明治開化 安吾捕物(めいじかいか あんごとりもの)을 후리가나와 함께 일본어로 읽으세요. JLPT N2. 단어를 누르면 뜻이 나옵니다.
N2 · 고급 · 신자체·신가나 · 23,522자 · 46화면
この男は自分に貸してくれる金だと思って、喜び勇んで持参したものにきまっている。左近はフンとも云わずに受けとって、それを直ちに他の二人に、彼の目の前で分け与えたのである。
幸平のムザンな顔もさることながら、それに相対するものとして左近の薄笑いを考えると、それは人間のものでもなければ、鬼のものですらもない。
二十五年ぶりに老父を訪れたときに、いきなり一万円貸してやろうと云いだした時、父の顔には悪病にかかった薄笑いがついていて、それをはぐと、下には死んだ顔、青い死神の顔があるような気がした。その顔と今日の顔とが結びついているのだ。
常友や自分に金をかしたのは、常友と自分に金を貸すことが目的ではなく、幸平にそれを貸さずに、彼の目の前で他の二人に分ち与えるのが目的だったのである。
左近が自分に一万円貸そうと云ったとき、彼が薄笑いを浮べて見ていたのは、この日の瞬間の幸平の顔だったのだ。
志道軒は幸平の顔ばかりでなく、彼の実母ミネの顔も見た。それはやや時をへて後のことであったが、うちひしがれても、うちひしがれても、怒りの逆上するものがこみあげてくるような悲しくすさまじい顔であった。