후리가나로 읽는 일본 고전
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はるのよる
春の夜
芥川 竜之介의 春の夜(はるのよる)을 후리가나와 함께 일본어로 읽으세요. JLPT N2. 단어를 누르면 뜻이 나옵니다.
N2 · 고급 · 신자체·신가나 · 2,514자 · 6화면
茂っていた。
女隠居は娘を雪さんと呼び、息子だけは清太郎と呼び捨てにしていた。雪さんは気の勝った女だったと見え、熱の高低を計るのにさえ、Nさんの見たのでは承知せずに一々検温器を透かして見たそうである。清太郎は雪さんとは反対にNさんに世話を焼かせたことはない。何でも言うなりになるばかりか、Nさんにものを言う時には顔を赤めたりするくらいである。女隠居はこう云う清太郎よりも雪さんを大事にしていたらしい。その癖病気の重いのは雪さんよりもむしろ清太郎だった。
「あたしはそんな意気地なしに育てた覚えはないんだがね。」
女隠居は離れへ来る度に(清太郎は離れに床に就いていた。)いつもつけつけと口小言を言った。が、二十一になる清太郎は滅多に口答えもしたこともない。ただ仰向けになったまま、たいていはじっと目を閉じている。そのまた顔も透きとおるように白い。Nさんは氷嚢を取り換えながら、時々その頬のあたりに庭一ぱいの木賊の影が映るように感じたと云うことである。
ある晩の十時前に、Nさんはこの家から二三町離れた、灯の多い町へ氷を買いに行った。その帰りに人通りの少ない屋敷続きの登り坂へかかると、誰か一人ぶらさがるように後ろからNさんに抱きついたものがある。