후리가나로 읽는 일본 고전
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じだいとひとびと
時代と人々
宮本 百合子
宮本 百合子의 時代と人々(じだいとひとびと)을 후리가나와 함께 일본어로 읽으세요. JLPT N2. 단어를 누르면 뜻이 나옵니다.
N2 · 고급 · 신자체·신가나 · 8,256자 · 17화면
情緒のうるおわされるものがなかった生徒たちは、おそらく一人のこらずと云っていいくらい、千葉先生には好意をもったと思う。千葉先生は毎朝の体操のときに水色メリンスのたすきをかけた。すると、級のなかに、同じようなメリンスのたすきをこしらえて、丁度千葉先生がそれを結んだように房さりと結んでかけていたひとがあった。何日か経ったら、級の担任の女先生から、生徒一同が叱られた。この頃、誰の真似だか知りませんが、変にずるずると髪をまいたり、大きいたすきをかけたりなさる方があるようですが、みっともないからおやめなさい。
少くとも一つだけの愉しみは学校にも在るようになった。私は級で一番の前列だったから、まるで自分ひとりがそのめずらしい人間らしい心持のする先生とさし向いでいるような集注で、西洋史の時間をすごした。千葉先生の歴史は、歴史というものが複雑多岐なる人間交渉をめぐって展開されることを私たちに教え、一つの事件の結果は、結果そのものがもう次の出来ごとの原因となってゆくような、物事のいきさつを描き出して示した。そのことは、私に、いろいろな身のまわりの出来ごと、自分の心の中の出来ごとにも、やはり辿るべき原因やその結果があるのだということを明瞭にした。