후리가나로 읽는 일본 고전
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はんしちとりものちょう
時代推理小説 半七捕物帳(三)
岡本 綺堂
岡本 綺堂의 時代推理小説 半七捕物帳(三)(はんしちとりものちょう)을 후리가나와 함께 일본어로 읽으세요. JLPT N2. 단어를 누르면 뜻이 나옵니다.
N2 · 고급 · 신자체·신가나 · 201,612자 · 405화면
うっかりしていれば自分らの眉へも火が付きそうなので、ふたりは火の粉の雨をくぐりながら、互いの名を呼んだ。
「松。気をつけろよ」
「親分。とてもいけませんぜ。伊豆屋まで行き着くのは命懸けだ。第一、これから行ったって間に合いませんぜ」
「そうかも知れねえ」と、半七は云った。「間に合っても合わねえでも、折角来たもんだから、ともかくもそこまで行き着きてえと思っているんだが、どうもむずかしそうだな」
「怪我でもすると詰まらねえ。もういい加減にしましょうよ。伊豆屋の見舞なら、これから家へ引っ返して握り飯の支度でもさせた方がようござんす。どうせ消めった後でなけりゃあ行かれやしません」
そういううちにも、なだれを打って逃げ迷ってくる半狂乱の人々に押されて揉まれて、二人も幾たびか突き顛されそうになった。火は大通りまで燃え出して、その熱い息が二人を蒸して来たので、半七ももうあきらめるよりほかはなかった。
「じゃあ、松。もう帰ろうよ」
「帰りましょう」と、松吉もすぐに同意した。「ぐずぐずしていて煙にまかれでもした日にゃあ助からねえ」
ふたりは方向を換えようとして本芝の方へ振り向く途端に、わっという叫びがまた俄かに激しくなって、逃げ惑う人なだれが二人を押し倒すように頽れて来た。