후리가나로 읽는 일본 고전
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はんしちとりものちょう
時代推理小説 半七捕物帳(二)
岡本 綺堂
岡本 綺堂의 時代推理小説 半七捕物帳(二)(はんしちとりものちょう)을 후리가나와 함께 일본어로 읽으세요. JLPT N2. 단어를 누르면 뜻이 나옵니다.
N2 · 고급 · 신자체·신가나 · 215,865자 · 432화면
「そう」
とは云ったが、文字春はいよいよおかしく思った。近いところと云っても、八王子から江戸の赤坂まで辿って来るのは、この時代では一つの旅である。しかも見たところでは、この娘はなんの旅支度もしていない。笠もなく、手荷物もなく、草鞋すらも穿いていない。彼女は浴衣の裳さえも引き揚げないで、麻裏の草履を穿いているらしかった。若い女がこんな悠長らしい姿で八王子から江戸へ来る――それがどうも文字春の腑に落ちなかった。しかし一旦こうして詞をかけた以上、こっちも逃げ出すわけにもゆかず、先方でもいよいよ付きまとって離れまいと思ったので、彼女はよんどころなく度胸を据えて、この怪しい道連れの娘と話しながら歩いた。
「津の国屋に誰か知っている人でもあるの」
「はい。逢いにいく人があります」
「なんという人」
「お雪さんという娘に……」
お雪というのは津の国屋の秘蔵娘で、文字春のところへ常磐津の稽古に来るのであった。怪しい娘が自分の弟子をたずねてゆく――文字春は更に不安の種をました。お雪は今年十七で、町内でも評判の容貌好しである。津の国屋は可なりの身代で、しかも親達が遊芸を好むので師匠にとっては為になる弟子でもあった。