후리가나로 읽는 일본 고전
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はんしちとりものちょう
時代推理小説 半七捕物帳(六)
岡本 綺堂
岡本 綺堂의 時代推理小説 半七捕物帳(六)(はんしちとりものちょう)을 후리가나와 함께 일본어로 읽으세요. JLPT N2. 단어를 누르면 뜻이 나옵니다.
N2 · 고급 · 신자체·신가나 · 196,831자 · 396화면
その船には二人の侍と一人の芸者が乗っていたが、花見帰りであるから皆酔っていたらしく、侍のひとりは声をかけて、挨拶をして行けと云った。それでも万力は知らぬ顔をして行き過ぎて、今や桟橋へと足を踏みかけた途端に、ひとりの侍は衝と寄ってきて、万力の腰の刀を鞘ぐるみ引き抜いた。そうして、自分の船の船頭にむかって、早く出せと呶鳴った。
呶鳴られて船頭は棹をとった。混み合っている中であるから、思うように棹を張ることは出来なかったが、それでも一間ほどは横に開いたので、桟橋に取り残された万力はあっと驚いた。腰の物を取られたからである。
武士は勿論、力士が腰の物を取られるのも、決して名誉のことではなかったが、更に万力をおどろかしたのは、その刀は十万石の抱え屋敷から拝領の品であった。それを失っては、屋敷へ出入りすることが出来なくなる。それを思うと、万力は顔の色を変えてうろたえた。あっと云っても、もう及ばない。相手の船は一間あまりも開いてしまったので、大兵肥満の彼は身を跳らせて飛び込むことは出来ない。彼は実に途方に暮れた。
その騒ぎに由兵衛も後戻りをして来たが、これもどうすることも出来ない。