후리가나로 읽는 일본 고전
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はんしちとりものちょう
時代推理小説 半七捕物帳(四)
岡本 綺堂
岡本 綺堂의 時代推理小説 半七捕物帳(四)(はんしちとりものちょう)을 후리가나와 함께 일본어로 읽으세요. JLPT N2. 단어를 누르면 뜻이 나옵니다.
N2 · 고급 · 신자체·신가나 · 217,272자 · 434화면
日の暮れる頃に、けさの客がまた出直して来た。
「あしたという約束であったが、金春新道の方まで来る用が出来たので、足ついでに廻って来た。残金二十二両、あらためて受け取ってくれ」
と、かれは孫十郎の前に金をならべた。
「就きましては、少々御相談いたしたいことが出来たのでございますが、店さきでお話もなりませぬ。お手間は取らせませんから、ちょっと二階までお通りをねがいます」
不思議そうな顔をしている客を、無理に二階へひきあげて、もう時分どきであるというので、孫十郎は近所の料理屋から酒肴を取り寄せてすすめた。そうして、かの仮面の一条をうちあけると、客はなかなか承知しなかった。これが唯の道楽であるならば、他にゆずり渡しても仔細ないが、自分は金春のお能役者で、芸道の上からかの仮面を手に入れたいと思うのであるから、折角ではあるが今さら手放すことは出来ないと云い切った。
それにも一応の理窟はあるので、孫十郎も当惑した。いろいろに押し返して口説いてみたが、客はかれの云うことを十分に信用しないらしく、屋敷の宝が紛失したの、侍が腹を切るのというのは、体のいいこしらえ事で、ほかに良い客をみつけた為に、そんな口実を作って自分の方を破談にする積りであろうと疑っているらしくみえた。