후리가나로 읽는 일본 고전
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はんしちとりものちょう
時代推理小説 半七捕物帳(四)
岡本 綺堂
岡本 綺堂의 時代推理小説 半七捕物帳(四)(はんしちとりものちょう)을 후리가나와 함께 일본어로 읽으세요. JLPT N2. 단어를 누르면 뜻이 나옵니다.
N2 · 고급 · 신자체·신가나 · 217,272자 · 434화면
いや、もうこのくらいにして、本文に取りかかりましょう」
安政六年の春から夏にかけて、鈴ヶ森の縄手に悪い狐が出るという噂が立った。品川に碇泊している異国の黒船から狐を放したのだなどと、まことしやかに伝える者もあった。いずれにしても、その狐はいろいろの悪戯をして、往来の人々をたぶらかすというのである。さなきだに物騒の場所に、悪い噂が又ひとつ殖えて、気の弱い通行人をおびやかした。
四月二十八日の夜の五ツ(午後八時)を過ぎる頃に、巳之助という今年二十二の若い男がこの物騒な場所を通りかかった。芝の田町に小伊勢という小料理屋がある。巳之助はそこの総領息子で、大森の親類をたずねた帰り道であった。この頃はいろいろの忌な噂があるから、今夜は泊まってゆけと勧められたのであるが、巳之助は若い元気と一杯機嫌とで、振り切って出て来た。
月は無いが、星の明るい夜であった。巳之助は提灯をふり照らしながら、今やこの縄手まで来かかると、睨みの松のあたりに人影がぼんやりと見えた。はっと思って提灯をさしつけると、それは白い手拭に顔をつつんだ女であった。今頃こんな処にうろついている女――さては例の狐かと、彼は更に進み寄って正体を見届けようとする途端に、女はするすると寄って来た。