후리가나로 읽는 일본 고전
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ぎゃっこう
晩年
太宰 治의 晩年(ぎゃっこう)을 후리가나와 함께 일본어로 읽으세요. JLPT N2. 단어를 누르면 뜻이 나옵니다.
N2 · 고급 · 신자체·신가나 · 44,459자 · 91화면
私の婆様ほどお美しい婆様もそんなにあるものではございませぬ。昨年の夏お歿くなりになられましたけれど、その御死顔と言ったら、すごいほど美しいとはあれでございましょう。白蝋の御両頬には、あの夏木立の影も映らむばかりでございました。そんなにお美しくていらっしゃるのに、縁遠くて、一生鉄漿をお附けせずにお暮しなさったのでございます。
「わしという万年白歯を餌にして、この百万の身代ができたのじゃぞえ」
富本でこなれた渋い声で御生前よくこう言い言いして居られましたから、いずれこれには面白い因縁でもあるのでございましょう。どんな因縁なのだろうなどと野暮なお探りはお止しなさいませ。婆様がお泣きなさるでございましょう。と申しますのは、私の婆様は、それはそれは粋なお方で、ついに一度も縮緬の縫紋の御羽織をお離しになったことがございませんでした。お師匠をお部屋へお呼びなされて富本のお稽古をお始めになられたのも、よほど昔からのことでございましたでしょう。私なぞも物心地が附いてからは、日がな一日、婆様の老松やら浅間やらの咽び泣くような哀調のなかにうっとりしているときがままございました程で、世間様から隠居芸者とはやされ、婆様御自身もそれをお耳にしては美しくお笑いになって居られたようでございました。