후리가나로 읽는 일본 고전
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ばんきく
晩菊
林 芙美子
林 芙美子의 晩菊(ばんきく)을 후리가나와 함께 일본어로 읽으세요. JLPT N2. 단어를 누르면 뜻이 나옵니다.
N2 · 고급 · 신자체·신가나 · 15,998자 · 32화면
大きなお尻をぺったりと畳につけて、かがみ込むようにして鋏をつかっている。きっちり巻いた髪の襟元が、艶々と白くて、見惚れるようにたっぷりとした肉づきであった。きんは、そのまままた長火鉢の前へ戻った。田部は寝転んでいた。きんは茶箪笥の上のラジオをかけた。思いがけない大きい響きで第九が流れ出した。田部はむっくりと起きた。そしてまたウイスキーのグラスを唇につける。「君と、柴又の川甚へ行った事があったね。えらい雨に降りこめられて、飯のない鰻を食った事があったなア」「ええ、そンな事あったわね、あの頃はもう、食べ物がとても不自由な時だったわ。貴方が兵隊さんになる前よ。床の間に赤い鹿の子百合が咲いててさア、二人で、花瓶を引っくり返したこと覚えている?」「そンな事あったね……」きんの顔が急にふくらみ、若々しく表情が変った。「何時かまた行こうか?」「ええ、そうね、でももう、私、おっくうだわ……もう、あそこも、何でも食べさせるようになってるでしょうね?」きんは、さっき泣いた感傷を消さないように、そっと、昔の思い出をたぐりよせようと努力している。そのくせ、田部とは違う男の顔が心に浮ぶ。