후리가나로 읽는 일본 고전
ja-reading.com
후리가나가 있는 일본 고전을 온라인으로 읽으세요. JLPT 수준으로 골라 보고, 단어를 눌러 뜻을 확인하고, 문장을 번역하세요.
かかれざるさくひん
書かれざる作品
豊島 与志雄
豊島 与志雄의 書かれざる作品(かかれざるさくひん)을 후리가나와 함께 일본어로 읽으세요. JLPT N2. 단어를 누르면 뜻이 나옵니다.
N2 · 고급 · 신자체·신가나 · 2,021자 · 4화면
ところがこの主人公は、見つむれば見つむるほど、際限もなく拡大されていく。先ず最初には、製鉄所がある。そこに働く数千の労働者、昼夜とも不断に火焔を発してる熔礦炉を中心に、複雑なる製鉄工程。次には、特殊な組織をなす軍需品工場。そして生まれ出た一個の銃弾が、弾薬庫の中に他の同類と共に蓄積され、聯隊に輸送され、兵士に分配され、小銃に装填され、発射され、三百米を一瞬間に飛んで、砂の中に突入し、そこで錆びていくのである。そしてこの作品では、製鉄所は省略するとしても、軍需品工場は是非必要であるし、なお、軍隊組織を無視するわけにはいかない。かくして、一個の弾丸を見つめる時、その背後に、或はそれを通して、種々の設備や組織が立現われてき、錯雑紛糾を極めるのであった。云いかえれば、一個の弾丸は際限もなく拡大していって、私の視野の外にまで拡がり、私はその全貌を捉えることが出来ず、「錆びた銃弾」が書けなくなってしまったのである。
ところで、軍艦三笠は限りなく縮小し、錆びた銃弾は限りなく拡大して、どちらも作品にはならなかったのであるが、対象物の縮小と拡大というその正反対な動きは、私に種々のことを考えさせるのである。