후리가나로 읽는 일본 고전
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つきとてぶくろ
月と手袋
江戸川 乱歩
江戸川 乱歩의 月と手袋(つきとてぶくろ)을 후리가나와 함께 일본어로 읽으세요. JLPT N2. 단어를 누르면 뜻이 나옵니다.
N2 · 고급 · 신자체·신가나 · 39,541자 · 80화면
わざと自動車を避けて、電車に乗ったが、不思議なことに、今日だけは尾行がつかなかった。動物園にはいったとき、この辺に待ち伏せしているのではないかと、入念に見廻したが、どこにもそれらしい姿はなかった。精養軒の出入りにも、怪しい人影は見えなかった。まだ日が高いからというので、有楽町に廻って、シネマスコープを見たが、その道でも、映画館の中でも、尾行者らしい者は、どこにもいなかった。
ふたりにとって、こんなのびのびした楽しい日は、珍らしいことであった。日のくれごろ、上機嫌で家に帰った。家の前にも、いつもの人影はなかった。
(いよいよ尾行や見張りのいやがらせも、これでおしまいかな。ずいぶん烈しい攻撃だったが、おれもよく踏みこたえたものだて)
克彦はうきうきした足どりで玄関をはいった。あけみも初春の外光に、美しく上気して、さも楽しそうに見えた。女中のきよが夕食の用意をして、ふたりを待っていた。
「あの、さっき、花田さんがいらっしゃいました。そして、お書斎の机の上に手紙を書いておいたから、読んでいただくようにって、お帰りになりました」
いつものきよの語調とは、どこかちがっていた。