후리가나로 읽는 일본 고전
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みらいのてんさい
未来の天才
豊島 与志雄
豊島 与志雄의 未来の天才(みらいのてんさい)을 후리가나와 함께 일본어로 읽으세요. JLPT N2. 단어를 누르면 뜻이 나옵니다.
N2 · 고급 · 신자체·신가나 · 18,630자 · 38화면
兎や角思い惑った後私は、静子に逢った時事情を話して承知して貰おうと決心した。
所がなかなかその時機が得られなかった。私が下宿してる家と彼女の家とは、中に一軒挾んだ軒並で、裏口は共通の路次になっていた。私はわざわざ朝顔の種を買ってきて、裏の垣根の所にそれを蒔き、土を弄ったり水を撒いたりして、幾度も愚図々々時間を費してみたが、静子はどうしたのか姿を現わさなかった。
私は自分自身の姿が何だか惨めに思われだしてきた。喜びも悲しみもつまらないもののような気がしてきた。そして或る時、やはり裏口に出て其処に屈みながら、ぼんやり地面を眺めていた。すると、奥深い青空を背景にして静子の姿が、まるで雲のようにふうわりと而もはっきりと、私の頭に映ってきた。私は頭の中にそれをじっと見守った。夢を見てるような気持ちだった。余り変なので、ふとふり向いてみると、私は喫驚した。お納戸色の地にぼんやり菊の花を浮出さした着物が、私の眼を遮った。見上げると、実際の彼女が少し小首を傾げて、眩しそうに微笑んでいた。
私は立ち上った。咄嗟の間に口が利けなかった。
「何をなすっていらっしゃるの?」