후리가나로 읽는 일본 고전
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ほんじょまつざかちょう
本所松坂町
尾崎 士郎
尾崎 士郎의 本所松坂町(ほんじょまつざかちょう)을 후리가나와 함께 일본어로 읽으세요. JLPT N2. 단어를 누르면 뜻이 나옵니다.
N2 · 고급 · 신자체·신가나 · 27,622자 · 55화면
、将軍綱吉の知遇に任ずる上野介義央が江戸城内においてどのような権勢を保っていたかということは想像に絶するものがあったであろう。
齢四十九歳に達した上野介は、上杉家に生れた春千代を養子として鍛冶橋の吉良邸に迎えた。自分の長男を上杉家にやり、こんどは養子を上杉家から逆輸入するというようなことは実にややこしいはなしであるが、このややこしさの中にも上野介の存在がいかに重要視されていたかということを立証するに足る理由のあることはいうまでもない。
それはともかくとして、五十にして天命を知った彼は、父祖の霊をまつる岡山の華蔵寺に梵鐘の供養を行った。彼にしてみれば、今や江戸城内における彼の地位は位人身をきわめたというべきものである。
自分の能力の計算に謙虚であった彼は、現在の境遇に心から満足しきっていた。しかし、上野介相当の誇もあれば名誉もある。それを思うがままに実現したところで誰に遠慮し、誰をはばかるところがあろう。人生もそろそろ終りに近い。人の世の儚さを、せめてもの思い出として、彼は吉良歴代の系譜の中から従四位に叙せられたものだけをえらびだし、三体の木像を刻ませた。