후리가나로 읽는 일본 고전
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さっぽろまで
札幌まで
寺田 寅彦
寺田 寅彦의 札幌まで(さっぽろまで)을 후리가나와 함께 일본어로 읽으세요. JLPT N2. 단어를 누르면 뜻이 나옵니다.
N2 · 고급 · 신자체·신가나 · 6,545자 · 14화면
途中の駅でもまた函館の波止場でも到る処で見送りが盛んであった。「頑張れよ」「御大事に」「しっかり頼むよ」口々にこうした激励の言葉を投げた。船と埠頭の間に渡した色テープの橋の両側で勇ましい軍歌が起った、人々の顔がみんな酔ったように赤く見えた。誰も彼も意志の強そうな顔ばかりである。世の中にこわいものもなければ心配なことも何もないような人ばかりである。これらの勇士達はこれからどこの国のどこの道の果てまで行くのであろうか。おそらくどこへ行っても、行く先々に勇敢な彼等のための天地が開けて行きそうな気がする。しかし自分はと云うとこの広い世界の片隅に住み古した小さな雀の巣のような我家へ帰って行くより外はないのである。小雨の降る薄暮の街に灯がともり始め、白い水面を一群のかもめが巴を描いて飛び交わしている。船は大きなカーヴを描いて出て行くので色さまざまの灯をちりばめた山腹の街の眺めがだんだんに変りながら遠くなって行く。天の一方には弦月が雲間から寒い光を投げて直下の海面に一抹の真珠光を漾わしていた。
青森から乗った寝台車の明け方近い夢に、地下室のような処でひどい地震を感じた。