후리가나로 읽는 일본 고전
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ひがしやまじだいにおけるいちしんしんのせいかつ
東山時代における一縉紳の生活
原 勝郎
原 勝郎의 東山時代における一縉紳の生活(ひがしやまじだいにおけるいちしんしんのせいかつ)을 후리가나와 함께 일본어로 읽으세요. JLPT N2. 단어를 누르면 뜻이 나옵니다.
N2 · 고급 · 신자체·신가나 · 69,142자 · 134화면
この茶代の見計らいのごときは、不安の中でも最も危険の少ないものであるから、どうでもよいようなことであるが、そもそも不安の念というものは、元来旅行にとりて嫌うべきものでないのみならず、かえってある程度まで歓迎すべきもので、中には主としてこの不安を欲するがために旅行を企つることもあるくらいだ。いわゆる冒険旅行のごときすなわちそれである。また冒険というまでには達せずとも、秩序の定まっておらぬ国を旅行して興味を感ずるのは、すなわち同一の理に基くものである。今日の支那は戦乱のない時ですらも、決して秩序の定まった国とはいえない。しかるに支那の旅行において、日本の旅行で得られない興味を感ずるのは、決して旅行者に対する設備が具わっているからでなくして、つまりその秩序が十分に立っておらぬからで、旅客をして多少不安の念を起さしめるからだ。日本の足利時代は今の支那だ。現在の日本を旅行しても感じ難い興味をば、足利時代の旅行において感ずることができたに相違ない。これを要するに足利時代のいわゆる乱世であるということが必ずしも交通の阻碍とのみ見るべきものではなくして、かえりてこれに刺戟を与えて発見を促した点もあることは、足利時代の事物を観察するに際しての忘るべからざる鎖鑰であろう。