일본어 읽기 연습

후리가나로 읽는 일본 고전

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びわのはな

枇杷の花

永井 荷風

永井 荷風의 枇杷の花(びわのはな)을 후리가나와 함께 일본어로 읽으세요. JLPT N2. 단어를 누르면 뜻이 나옵니다.

N2 · 고급 · 신자체·신가나 · 2,769자 · 6화면

아오조라 문고

丸亀藩では処置に窮し、新政府に申請して鳥居甲斐守放還の命を発した。ここに於て甲斐守は新に静岡の藩主となった徳川氏の許に赴き自ら赦免を請うた後、白髪孤身、飄然として東京にさまよい来ったと云う。

甲斐守が初め弘化二年の冬丸亀の配所に幽閉せられた時、たまたま枇杷の実を食しその核を窓の外に捨てたことがあったが、二十五年を過ぎて、その将に静岡に赴こうとする時、枇杷の核は見上るばかりの大木となっていた。甲斐守は之を指し藩中の士を顧みて、この木はわが幽閉の紀念である。今は用なければ伐って薪木にでもせられたがよいと言って笑ったそうである。わたくしは曽てこの逸事を角田音吉氏が水野越前守と題した活版本について見たのである。

わたくしは史家ではない。古今の事蹟を鑑み人物の成敗を論評せんと欲するものではない。併したまたまわが陋屋の庭に枇杷の核の生育して巨木となったのを目前に見る時、歳月の経過を顧み、いかに甚しく時勢の変転したかを思わずには居られない。

わたくしが亡友井上唖々子と相携えて散策の途次、始めてこの陋屋の門を叩いたのは大正八年の秋も暮れ行く頃であった。最初、時事新報の紙上に出ていた売宅の広告を見て、道を人に問いながら飯倉八幡宮の裏手から我善坊ヶ谷の小径を歩み、崖道を上って市兵衛町の通へ出たのである。