일본어 읽기 연습

후리가나로 읽는 일본 고전

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いなかがえり

林芙美子随筆集

林 芙美子

林 芙美子의 林芙美子随筆集(いなかがえり)을 후리가나와 함께 일본어로 읽으세요. JLPT N2. 단어를 누르면 뜻이 나옵니다.

N2 · 고급 · 신자체·신가나 · 58,157자 · 118화면

아오조라 문고

あとで聞いたのだけれどもいつか徳田先生と私と順子さんと、来合わしていた青年のひとと散歩をしてお汁粉を先生に御馳走になったのですが、その青年のひとが窪川鶴次郎氏だったりしました。私はひとりになると、よく徳田先生のお家へ行ったし、先生は、御飯を御馳走して下すったり落語をききに連れて行って下すったりしました。先生と二人で冬の寒い夜、本郷丸山町の深尾須磨子さんのお家を訪ねて行ったりして、お留守であった思い出もあるのですが、考えてみると、私を、今日のような道に誘って下すったのは徳田先生のような気がしてなりません。

昭和元年、私は現在の良人と結婚しました。文芸戦線から退いて、孤独になって雑文書きに専念しました。才能もない人間には努力より他になく、この年頃から、私はようやく、何か書いてみたいと思い始めました。結婚生活に這入っても、生活は以前より何層倍も辛く、米の買える日が珍らしい位で、良人の年に三度ある国技館のバック描きの仕事と、私の年に二、三度位売れる雑文で月日を過ごしました。

その時分、私はもう詩が書けなくなっていました。日記を雑記帳に六冊ばかり書き溜めていましたが、これを当時長谷川時雨女史によって創刊された女人芸術の二号位から載せて貰いました。