후리가나로 읽는 일본 고전
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けいまのげんそう
桂馬の幻想
坂口 安吾의 桂馬の幻想(けいまのげんそう)을 후리가나와 함께 일본어로 읽으세요. JLPT N2. 단어를 누르면 뜻이 나옵니다.
N2 · 고급 · 신자체·신가나 · 13,784자 · 28화면
すこしだけ歩いてみたい気持であったが、宿をでて坂を降りると山陰をぬう静かな道がある。そこを歩いているうちに渓流の岸へでたのである。と、道の下の岩の上で魚釣りをしている野村の姿をみとめた。野村は文士でこの対局の観戦記者であった。対局をよそに魚釣りの観戦記者もないものだから、
「なんだ。野村さんじゃありませんか。ノンキなものだなア」
と道の上から声をかけて降りて行くと、野村は苦笑して、
「しまッた! 対局はすんだのかい」
「いいえ」
「じゃア、どうしたわけだ」
「ちょッと息ぬきです」
野村はあきれて木戸をみつめた。木戸はやっと二十の若者だ。C級の六段である。天才的な若者ではあるが、公式戦へでられるようになって三年足らず、駈けだしである。新聞社の勝ちぬき戦で強豪をなぎ倒して、名人候補と声の高い強豪津雲と顔があった。天才といえば相手も天才、クラスのちがう大強豪とはじめて公式に顔があって若い木戸の勝つはずもあるまいが、津雲が苦戦すればお慰みと、新聞社では特にこの一局をとりあげて好局ができれば記事にするつもりであった。
紺絣の木戸は温泉旅館へ招かれて公式に手合するさえはじめてだ。