후리가나로 읽는 일본 고전
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くわのむしとこせがれ
桑の虫と小伜
佐藤 垢石
佐藤 垢石의 桑の虫と小伜(くわのむしとこせがれ)을 후리가나와 함께 일본어로 읽으세요. JLPT N2. 단어를 누르면 뜻이 나옵니다.
N2 · 고급 · 신자체·신가나 · 1,760자 · 4화면
糸をひいた青虫が、やがて水面へ達して水に触れると、その途端に大きな魚がそれを呑み込んでしまった。その魚は、鯉であったか鮒であったか鯰であったか、姿は分からない。ただ、その場に水輪が残るのみであった。
村の子供たちは、秋になると桑の葉に小さな青虫がつくのを知っている。葉の裏に皺をよせ、その皺に細い糸を幾筋もわたして隠れ棲んでいる長さ一分五厘くらいの小虫である。私の小伜も、それを知っていた。榎の枝から小さな青虫が垂れ下がったのを沼の魚が奪い食ったのを見て、想い当たったらしい。
すぐ桑畑に分け入って、桑の虫を捕らえ、これを鈎にさして、試しに沼へ放り込んでみた。入れて間もなく当たりがある。上げると七、八寸の大型の鮒だ。続いてまた当たりだ。
こうして、鮒を一貫目近くも釣ったと言うのである。
『お前は、面白い餌を発見したな』
『うん』
小伜は、甚だ得意だ。
そこで、私は考えた。鮒が好んで食う餌ならば、はやも食わぬというわけはない。新餌というものは、どの魚からも歓迎されるものだと気付いたのである。
その翌朝早く起きて、畑から数多い桑の虫を捕ってきた。折りから日曜日であったので、小伜を伴って、利根川の備前堀淵へ行った。