후리가나로 읽는 일본 고전
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うめづしえんおうでん
梅津只円翁伝
杉山 萠円
杉山 萠円의 梅津只円翁伝(うめづしえんおうでん)을 후리가나와 함께 일본어로 읽으세요. JLPT N2. 단어를 누르면 뜻이 나옵니다.
N2 · 고급 · 신자체·신가나 · 65,582자 · 130화면
私は翁を健康な高齢者の標本として研究していたので、爾後幾多の老人の診察に際して非常な参考となった事を感謝している。晩年といっても翁が九十二歳、明治四十一年から三年間病臥して居られたが、それといっても決して病気ではない。ただ樹木の枯れるように手足が不叶いになられただけで、健康には申分なく、そのまま枯れ果てて三年後の夏の何日であったかに、眠るが如く世を去られたまでの事であった。
その亡くなられた当日の朝の事であった。
門下の中でも一番の故老らしい品のいい二人の老人が、無論お名前なぞ忘れてしまったが、わざわざ私に面会に来られて翁の容態を色々尋ねられた後、実は老先生が亡くなられる前に聞いておきたい謡曲の秘事が唯一つ在る。それをお尋ねせずに老先生に亡くなられては甚だ残念であるが、その事を老先生にお尋ねする事を主治医の貴下にお許しを受けに伺った次第ですが……というナカナカ叮重なお話であった。
これには私も当惑した。むろん梅津先生は御重態どころではない。その前日の急変以来眼も、耳も、意識も全く混濁しているとしか思えないので、単に呼吸して居られる。脈が微に手に触れるというだけの御容態である。