후리가나로 읽는 일본 고전
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もりのようき
森の妖姫
小川 未明
小川 未明의 森の妖姫(もりのようき)을 후리가나와 함께 일본어로 읽으세요. JLPT N2. 단어를 누르면 뜻이 나옵니다.
N2 · 고급 · 신자체·신가나 · 2,457자 · 5화면
而してその旅人は何処へ行ったやら再び姿を見ぬ。
昔、昔、ずっと昔に或る忠義な武士があって主君の非行を諫言し奉った。すると癇癪持の君は真二つに斬り下んと刀の束に手をかけたのを、最愛の妾が傍から止めたので、命だけは賜わって、国外に追放の身となったのである。その実妾は却って武士を愛していたので、軈て自分もその武士の後を慕うて、一夜暗にまぎれて城を逃げ出た。而して漸く追い付いて自分の意の中のありたけを語った。武士は妾の請に少なからず当惑したけれど、もはや何れにしても命のない女の身を可哀そうに思って、意を決して二人は手に手を取り合うて、秋将さに深き信濃の山路に逃げのびたのである。而して三年この池の畔りに二人は安楽に暮した。しかるに一日夫は狩猟に出かけた限り家に帰えらなかった。妻は案じて野の末を隈なく探して見ると、何者に殺されたか、切り捨てられた屍を見出したのである。やがてそれは君の追手の者に殺されたということが分った。何時しかその年も暮れてしまう。明る年の春、うす紫の藤の花が咲く時分に、ついにこの憐むべき女は狂わしの身となって、人を怨み世を憤って、遂にこの池の中に身を沈めて、妖霊に化したのである。