후리가나로 읽는 일본 고전
ja-reading.com
후리가나가 있는 일본 고전을 온라인으로 읽으세요. JLPT 수준으로 골라 보고, 단어를 눌러 뜻을 확인하고, 문장을 번역하세요.
しいのき
椎の木
豊島 与志雄
豊島 与志雄의 椎の木(しいのき)을 후리가나와 함께 일본어로 읽으세요. JLPT N2. 단어를 누르면 뜻이 나옵니다.
N2 · 고급 · 신자체·신가나 · 25,870자 · 52화면
買えるような金は到底なかったが、然し買うことも出来るということは嬉しい希望をもたらしてくれる。
僕は、恋人にでも逢いに行くような気持で、その椎の木を見に行ったものだ。木戸の鍵をあけて中にはいると、頭の上すれすれに、椎の枝葉が、百坪ほども伸び拡っているのだ。それは青葉の殿堂で、美しい日の光の斑点が天井一杯に戯れているし、凉しい風がかなた田端辺の高台から吹いてくる。
そして或る時、途中で竹山に出逢ったので、彼の頭にはよい影響を与えるかも知れないと思って、その椎の木のところへ連れていった。果して、竹山の喜びかたは大変なものだった。幹に手を廻してみたり、低い枝に登ってみたり、青葉天井に見入ったりして、ただ感歎し続けていた。新たに眼覚めたようないきいきとした光がその眼にあった。
僕は彼に木戸の合鍵をやって、いつでもはいれるようにしてやった。
彼は殆んど毎日行ったらしい。そしてその頃が、彼の頭の調子も最もよかった。
それまでは無事だったが、実はもう、そんな呑気なことをしながらも、僕の経済状態は破綻に瀕していた。少々てれる話だが、この土地の小鈴という芸妓と、いつのまにか深くなって、もうどうにもならないほどお互に愛し合っていた。