후리가나로 읽는 일본 고전
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はし
橋
岡本 かの子
岡本 かの子의 橋(はし)을 후리가나와 함께 일본어로 읽으세요. JLPT N2. 단어를 누르면 뜻이 나옵니다.
N2 · 고급 · 신자체·신가나 · 1,955자 · 4화면
向うを見ると何の知合いもない対岸の町並である。うしろを観る。わが家は遠い。たった一人になった気がしてさびしいとも自由ともわけもわからぬ涙が落ちて来る。頭の上に高い太陽――こういう世界にたびたび身を染めたくて私は橋を渡るのを好んだのかも知れない。
ある早春の晴れた昼である。わたしはまた橋を渡り度くなって町に一番近いそこへ行った。その橋は短かったが修繕し立ての橋板はまだ生木の潤いを帯びていて音を含んでなつかしく響いた。橋詰に珍らしく大きな猫柳の木があって、満枝の芽はやや銀の鋒鉾を現しかけていた。それは風の吹くときだけ光った。あるとき私が橋を渡り終えて悦んでぴょんぴょん例の小躍りをしていると、突然その木の蔭から汚ない服装の男が飛び出して私を捕えた。
――このあまっちょだな。毎日下駄を鳴らして通ってうるせえのは。よし下駄を取上げてやる。
そういって彼は私の下駄を捩ぎ取った。わたしは泣いて帰った。その男は橋の傍のいかけ師の主人でもとは相当の家だったが、先代から微禄したのを私の家の勢力の為だと思い僻み、こんな悪苛めもするのである。母親はそのわけを私に話しさっそく遣いのものを下男に持たせ下駄を取戻して来て呉れた。