일본어 읽기 연습

후리가나로 읽는 일본 고전

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いんじゅうトリステサ

橘外男ワンダーランド 人獣妖婚譚篇

橘 外男

橘 外男의 橘外男ワンダーランド 人獣妖婚譚篇(いんじゅうトリステサ)을 후리가나와 함께 일본어로 읽으세요. JLPT N2. 단어를 누르면 뜻이 나옵니다.

N2 · 고급 · 신자체·신가나 · 154,788자 · 299화면

아오조라 문고

「いや、裏門から出て行くからかまわん」

そして私は冷汗を拭きながら、小走りに先に立った守衛に潜り戸を開けてもらって、外へ出たのであったが、ジャズの狂燥、蓄音器の律動、カスタネットの足踏み、女たちの合唱、自動車は馳せ交い灯光は燦びやかに、巷は今春宵の一刻を歓楽の中に躍り狂おうとしているところであった。そして私も、またその渦の中に巻き込まれながら、呼び留めて来るタクシーにも乗らず、さざめかしい街路をカタルニア街へと、ブラブラ歩を運ばせたことであったが。

私の着いた時、狂喚と雑踏春の夜のさざめきとの一層狭苦しい街路に溢れたカタルニア街の中でもただ一軒ベナビデスの店だけは、鎧戸を降ろして灯を消してもはやまったく沈々たる闇の中に眠っていたのであった。そして厳重な扉の潜り戸の傍に付いている鉄の環を鳴らして、小窓が開いてそこに人の眼が覗くまでにはおよそ何十分くらいもたっての後であったろうか。

「誰方ですかい?」と胡散臭そうにその眼が瞬いた。

「私はいつぞや君のところから犬を買ったアレサンドロというものだが、ちょっと主人に話したいことがあって来たのだが」

「どういう御用でしょうかね? もう店を閉めてしまいましたから、明日の朝にしてもらえませんかね?」