후리가나로 읽는 일본 고전
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たなださいばんちょうのかいし
橘外男ワンダーランド 怪談・心霊篇
橘 外男
橘 外男의 橘外男ワンダーランド 怪談・心霊篇(たなださいばんちょうのかいし)을 후리가나와 함께 일본어로 읽으세요. JLPT N2. 단어를 누르면 뜻이 나옵니다.
N2 · 고급 · 신자체·신가나 · 112,181자 · 219화면
到頭その夏は、秋風が立って十月赤蜻蛉の飛び交う頃まで、体温計と首っ引きで、伊東で寝て暮してしまいました。気候がよくなってから、やっと東京へ戻って来ましたが、医者がヤカマシクいうものですから、その翌年の四月頃までも、寝ていましたでしょうか?
今に起きられるようになったら、今年の夏こそどんなことでもして、二人に逢いに行こうと寝ながらもそのことばっかり考えて暮していましたが、せっかくよくなったと喜んだ甲斐もなく、暑くなりかけてきた二月後の六月半ば頃から、またからだの違和を感じて、父と母の厳命で、その年の夏から秋へかけては、到頭七里ヶ浜の湘南サナトリウムで、懊悩しながら療養の日を送ってしまいました。
来月休暇になったらスグ訪ねると約束して、二人に見送られて大野木から発って来たのが、去年の六月の十四日……休みになっても到頭行くことができず、また今年の夏も行くことができず、さぞ二人が待ち切っているだろうと思うと、寝ていても気が気ではないのです。
永い秋の日を、一日一杯寝椅子で安臥している病院生活の間中、寝ても醒めてもただうつらうつらと、日となく夜となく頭の中で私にほほえみかけてくるものは、ただジーナとスパセニアの二人だけだったと申上げたら、その時の私の焦慮と焦心が察していただけるかも知れません。