후리가나로 읽는 일본 고전
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はるはばしゃにのって
機械・春は馬車に乗って
横光 利一
横光 利一의 機械・春は馬車に乗って(はるはばしゃにのって)을 후리가나와 함께 일본어로 읽으세요. JLPT N2. 단어를 누르면 뜻이 나옵니다.
N2 · 고급 · 신자체·신가나 · 77,492자 · 156화면
高次郎氏の容貌(ようぼう)には好男子ということ以外に、人格の美しさが疑いもなく現れていたからだった。老年の婦人というものはただの馬鹿な美男子に見惚れるものではない。
私はこんなに思うことがある。――人間は生活をしているとき特に観察などをしようとせず、ぼんやりとしながらも、自然に映じて来た周囲の人の姿をそのまま信じて誰も死んでしまうものだということを。そして、その方が特に眼をそばだてて観察したり分析したりしたことなどよりも、ときには正確ではなかろうかということをしばしば感じる。高次郎氏のことにしても、私は眼をそば立てて注意していたわけではなく、以下自然に私の眼に映じて来たことのみで彼のことを書きたいと思う。
高次郎氏は軍人の間ではかなり高名な剣客だということも、私の耳にいつか努力することなく聞えて来た。見たところ高次郎氏は無口で声も低く、性格も平凡なようだった。私のいるこのあたり一帯の風景が極(きわ)めて平凡に見えたがために、私は即座にこの地を選んで移り棲(す)む決心をしたのであったから、ちょうどその風景に適合したように現れて来た高次郎氏の姿も、自然な感興を喚(よ)び起したにちがいないが、いずれにせよその方が私にはこの地を選んだ甲斐(かい)もあったと喜ぶべきである。