후리가나로 읽는 일본 고전
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じろうものがたり
次郎物語
下村 湖人
下村 湖人의 次郎物語(じろうものがたり)을 후리가나와 함께 일본어로 읽으세요. JLPT N2. 단어를 누르면 뜻이 나옵니다.
N2 · 고급 · 신자체·신가나 · 117,781자 · 235화면
「今日も、学校から帰ると、祖母が待ちかねていたように愚痴をこぼしはじめた。何でも大巻の祖父がやって来て、今月は先月にくらべ、卵の収穫が三百あまりも殖えたそうで結構だ、と喜びを言ったのがいけなかったらしい。祖母は、みんなが卵の数を自分には知らさないで、大巻にだけ知らしているんだ、というのである。あまりばかばかしいので、つい笑い出したくなったが、やはりがまんしてきいてやることにした。しかし、そのために、夕飯の時にみんなのまえで、“次郎は小さいとき里子に行って苦労しただけに兄弟のうちで誰よりも物の道理がわかっている。”などと言われたのには、僕もさすがに冷汗が出た。
それにしても、自分の最も愛していない相手に同情を求め、自分の最も讃めたくない相手を強いて讃めて、どうなり自分を慰めていなければならない人間ほど、みじめな存在はないだろう。
僕は、そうしたみじめさから祖母を救うことが、僕自身の正しい道だと考えないことはない。しかし、また一方では、みじめさをみじめさのままにして、少しもそれにふれないで置くことが、祖母のような性格と年齢の人を、かえって幸福にするのではないかとも考える。