후리가나로 읽는 일본 고전
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じろうものがたり
次郎物語
下村 湖人
下村 湖人의 次郎物語(じろうものがたり)을 후리가나와 함께 일본어로 읽으세요. JLPT N2. 단어를 누르면 뜻이 나옵니다.
N2 · 고급 · 신자체·신가나 · 146,773자 · 294화면
それはあるかなきかの、ごく淡い感じではあった。しかし、次郎にとっては何よりもいやな種類の感じだったのである。
彼は、強いてその感じを払いのけようとつとめた。しかし、それは無駄だった。というのは、それから恭一と俊三とが、何か二こと三こと彼に話しかけたあと、話がいっこうにはすまず、妙に白けた空気が火鉢のまわりを支配してしまったからである。
この時、もしお芳が、次郎に何か話しかけるか、或はちょっと気をきかして、すぐそばの茶棚から、次郎の眼にも見えていた菓子鉢でもおろして、みんなの前にさし出したとしたら、かりにそれがお祖母さんの機嫌を損じて、次郎にかえって不愉快な思いをさせる結果になったとしても、次郎は一ヵ月前の「母さん」をはっきり本田家に見出すことによって、十分そのうめ合わせをすることが出来たであろう。
だが、お芳には、そんな気ぶりは少しも見えなかった。気がつかなかったのか、勇気がなかったのか、あるいはそれがあたりまえだと思っていたのか、彼女は、まるで気のぬけたおかめのような顔をして坐っているだけだった。
それに、次郎の心を一層刺戟したのは、俊三がおりおりお芳にしなだれかかるようなふうをすることであった。