후리가나로 읽는 일본 고전
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じろうものがたり
次郎物語
下村 湖人
下村 湖人의 次郎物語(じろうものがたり)을 후리가나와 함께 일본어로 읽으세요. JLPT N2. 단어를 누르면 뜻이 나옵니다.
N2 · 고급 · 신자체·신가나 · 146,773자 · 294화면
まあ、しかし、小遣は月二円ぐらいで我慢するんだな。」
二円という金は、次郎にとってはむろんすくない金ではなかった。それが、これから毎月自分で勝手につかえるんだと思うと、うれしいというよりは、何かそぐわない気持だった。だが、同時に彼の心にひっかかったのは、「なくなったら母さんにそう言えばいい」と言った父の言葉だった。父は何でもなくそう言ったらしく思えた。しかし、また、それを言うために、わざわざ蟇口を買ってくれたのではないか、とも疑えたのである。
家に帰ると、彼は一人で自分の机のまわりを整頓しはじめた。新しい教科書を本立にならべた気持は、決してわるいものではなかった。中には金文字のはいったものも二三冊あり、それがとりわけ彼の眼に新しく映った。恭一はもう今年は四年で、その本立には、分厚な字引類や参考書などが沢山ならんでいた。それに比べると自分の本立はいかにも物淋しかったが、それでも、新しい世界に足をふみ入れた、という気持を彼に起させるには十分だった。
彼は、いつの間にか蟇口のことを忘れていた。
ひととおり整頓を終ると、彼は、さっき買って来た絵はがきをとり出して、それに入学試験合格の通知を書きはじめた。