후리가나로 읽는 일본 고전
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じろうものがたり
次郎物語
下村 湖人
下村 湖人의 次郎物語(じろうものがたり)을 후리가나와 함께 일본어로 읽으세요. JLPT N2. 단어를 누르면 뜻이 나옵니다.
N2 · 고급 · 신자체·신가나 · 146,773자 · 294화면
次郎は、脇の下を小さな円いものでつっつかれたようなくすぐったさを覚えた。彼はそれが万年筆であるということを、すぐ覚った。そして嬉しいとも、きまりがわるいとも、怖いともつかぬ、妙な感じに襲われた。
「何してるの。」
と俊三がよって来た。
「くすぐってやったんだい。だけど、次郎ちゃんは笑わないよ。」
恭一はやっとそうごま化した。そして、顔をあからめなから、変な笑い方をしていた。これは、しかし、恭一にしては精一ぱいの芸当だった。
俊三は笑わない次郎の顔を、心配そうにのぞいて、
「怒ってんの、次郎ちゃん。」
次郎はますますうろたえた。が、こうした場合の彼のすばしこさは、まだ決して失われてはいなかった。彼は、恭一の方にちょっと笑顔を見せたあと、いきなり俊三の脇腹をくすぐった。俊三はとん狂な声を立てて飛びのいた。同時に恭一と次郎が、きゃあきゃあ笑い出した。
「何を次郎はぐずぐずしているのだえ。感心に仏様にご挨拶をしているかと思うと、そんなところで、ふざけたりしていてさ。行くなら、さっさとおいで。」
お祖母さんの声が、するどく茶の間からきこえた。俊三は、口を両手にあてて渋面をつくった。