일본어 읽기 연습

후리가나로 읽는 일본 고전

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じろうものがたり

次郎物語

下村 湖人

下村 湖人의 次郎物語(じろうものがたり)을 후리가나와 함께 일본어로 읽으세요. JLPT N2. 단어를 누르면 뜻이 나옵니다.

N2 · 고급 · 신자체·신가나 · 146,773자 · 294화면

아오조라 문고

(母さんやお祖母さんなんかを相手にするのが、ばかばかしい。)

彼は、いつとはなしに、そんな気がしていた。はっきり意識して、そうなろうと努めたわけでもなかったが、中学に入学して以来、日一日と、母や祖母の問題がその深刻さを減じて行き、このごろでは、よほどのことがないかぎり、たいして気にもかからなくなって来たのである。それは、たしかに、中学校というものの空気が、彼にいろいろの新しい問題をあたえ、彼の関心を、急に家庭以外の世界にまで拡げてくれた結果にちがいなかった。その意味では、中学校というところも、尊敬すべき先生がいるいないにかかわらず、人間を成長させる何かの魔術をもったところだ、といえるであろう。

乳母のお浜には、次郎は、それからも、たびたび手紙を出した。返事には、いつもきまって、一番になれとか、偉い人になれとかいうようなことが書いてあり、また、それとなく、今度の母との折合いがうまく行っているかどうかを、知りたいような文句がつらねてあった。次郎は、しかし、そのいずれにも、たいして心を動かさなかった。彼は、そうした手紙によって、お浜の自分に対する愛情を十分に味わいながらも、すでに一段と高いところに立って、その中の文句の意味を読もうとする気持になっていた。