후리가나로 읽는 일본 고전
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わすれえぬひとびと
武蔵野
国木田 独歩
国木田 独歩의 武蔵野(わすれえぬひとびと)을 후리가나와 함께 일본어로 읽으세요. JLPT N2. 단어를 누르면 뜻이 나옵니다.
N2 · 고급 · 신자체·신가나 · 94,018자 · 192화면
そこの店先に一人の琵琶僧が立っていた。歳のころ四十を五ツ六ツも越えたらしく、幅の広い四角な顔の丈の低い肥えた漢子であった。その顔の色、その目の光はちょうど悲しげな琵琶の音にふさわしく、あの咽ぶような糸の音につれて謡う声が沈んで濁って淀んでいた。巷の人は一人もこの僧を顧みない、家々の者はたれもこの琵琶に耳を傾けるふうも見せない。朝日は輝く浮世はせわしい。
『しかし僕はじっとこの琵琶僧をながめて、その琵琶の音に耳を傾けた。この道幅の狭い軒端のそろわない、しかもせわしそうな巷の光景がこの琵琶僧とこの琵琶の音とに調和しないようでしかもどこかに深い約束があるように感じられた。あの嗚咽する琵琶の音が巷の軒から軒へと漂うて勇ましげな売り声や、かしましい鉄砧の音と雑ざって、別に一道の清泉が濁波の間を潜って流れるようなのを聞いていると、うれしそうな、浮き浮きした、おもしろそうな、忙しそうな顔つきをしている巷の人々の心の底の糸が自然の調べをかなでているように思われた、「忘れえぬ人々」の一人はすなわちこの琵琶僧である。』
ここまで話して来て大津は静かにその原稿を下に置いてしばらく考え込んでいた。