후리가나로 읽는 일본 고전
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わすれえぬひとびと
武蔵野
国木田 独歩
国木田 独歩의 武蔵野(わすれえぬひとびと)을 후리가나와 함께 일본어로 읽으세요. JLPT N2. 단어를 누르면 뜻이 나옵니다.
N2 · 고급 · 신자체·신가나 · 94,018자 · 192화면
二郎、早く早く貞二、と叫びてまた快く笑い、こしかたは夢のみ、夢を語るに泣くは愚かなり。われ、ともかくも早く飲み早く食わずば泣くのほかあらず。
間もなく貞二が運ぶ酒肴整いければ、われまず二郎がために杯を挙げてその健康を祝し、二郎次にわがために杯を挙げかくて二人ひとしく高く杯を月光にかざしてわが倶楽部の万歳を祝しぬ。
二郎はげに泣かざるなり、貴嬢が上を語りいで、こし方の事に及べど、かれはただ夢みるごときまなざしにて杯の底をながめ、哀れなる少女よとかこつのみ。ああ時よ!。時の力は不思議なるかな、一年余りの月日は二郎が燃ゆるごとき恋を変えて一片の憐みとなしぬ。かれが沸騰せし心の海、今は春の霞める波平らかに貴嬢はただ愛らしき、あわれなる少女富子の姿となりてこれに映れるのみ。されどかれも年若き男なり、時にはわが語る言葉の端々に喚びさまされて旧歓の哀情に堪えやらず、貴嬢がこの姿をかき消すこともあれど、要するに哀れの少女よとかこつ言葉は地震の夜の二郎にはあらず、燃ゆる恋はいつしか静かなる憐みと変われり。されど貴嬢、こはわが期しいたる変化なるのみ。
今日汽車の内なる彼女の苦悩は見るに忍びざりき、かく言いて二郎は眉をひそめ、杯をわれにすすめぬ。