후리가나로 읽는 일본 고전
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わすれえぬひとびと
武蔵野
国木田 独歩
国木田 独歩의 武蔵野(わすれえぬひとびと)을 후리가나와 함께 일본어로 읽으세요. JLPT N2. 단어를 누르면 뜻이 나옵니다.
N2 · 고급 · 신자체·신가나 · 94,018자 · 192화면
檣の陰より現われしは一個の大男なり。
見忘れたもうなと言いもおわらず卓の横に立つは片目の十蔵ならんとは。二郎は椅子を離れ手を拍って笑いぬ。
いかで忘るべきと杯を十蔵の前に置き、飲み干してわれに与えよ再会を祝せん。
十蔵はわれを寿きて杯を飲み干しつ、片目一人、この船に加わりいることをかねて知りたまいしやと問う。われ、なんじの影地震の夜の間に消え失せぬと聞き、かの時の挙動など思い合わして大方は推しいたれどかく相見ては今さらのようにうれし。
かつて酒量少なく言葉少なかりし十蔵は海と空との世界に呼吸する一年余りにてよく飲みよく語り高く笑い拳もて卓をたたき鼻歌うたいつつ足尖もて拍子取る漢子と変わりぬ。かれが貴嬢をば盗み去ってこの船に連れ来たらばやと叫びし時は二郎もわれも耳をふさぎぬ。かれの説によれば、貴嬢はもと心順なる少女なれば境によりてその情を動かすがゆえに南洋丸に乗せて一年が間、浮世の風より救い出さば必ず御顔にふさわしき天津乙女となりたもうとの事なり、われはたやすくこれを信ずるあたわざるのみ。
十蔵はその片目を細くして小歌うたいつ、たちまち卓を打ちて、君よかの問いの答えはいかにしたまいしとその片目をみはりぬ。