후리가나로 읽는 일본 고전
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わすれえぬひとびと
武蔵野
国木田 独歩
国木田 独歩의 武蔵野(わすれえぬひとびと)을 후리가나와 함께 일본어로 읽으세요. JLPT N2. 단어를 누르면 뜻이 나옵니다.
N2 · 고급 · 신자체·신가나 · 94,018자 · 192화면
そしてそれが二十年ぶりにあたった。あたったといえばそれだけであるが、それに三つの意味が含まれている。
『豊吉が何をしでかすものぞ、』これがその一、
『五年十年のうちには、』これがその二、
『きっと帰って来る、』これがその三。
薄気味の悪い「ひげ」が黄鼠のような目を輝らせて杉の杜の陰からにらんだところを今少し詳しく言えば、
豊吉は善人である、また才もある、しかし根がない、いや根も随分あるが、どこかに影の薄いような気味があって、そのすることが物の急所にあたらない。また力いっぱいに打ち込んだ棒の音が鈍く反響するというようなところがある。
豊吉は善人である、情に厚い、しかし胆が小さい、と言うよりもむしろ、気が小さいので磯ぎんちゃくと同質である。
そこで彼は失敗やら成功やら、二十年の間に東京を中心としておもに東北地方を舞台に色んな事をやって見たが、ついに失敗に終わったと言うよりもむしろ、もはや精根の泉を涸らしてしまった。
そして故郷へ帰って来た。漂って来たのではない、実に帰って来たのである。彼はいかなる時にもその故郷を忘れ得なかった。いかにかれは零落するとも、都の巷に白馬を命として埃芥のように沈澱してしまう人ではなかった。