후리가나로 읽는 일본 고전
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わすれえぬひとびと
武蔵野
国木田 独歩
国木田 独歩의 武蔵野(わすれえぬひとびと)을 후리가나와 함께 일본어로 읽으세요. JLPT N2. 단어를 누르면 뜻이 나옵니다.
N2 · 고급 · 신자체·신가나 · 94,018자 · 192화면
豊吉はうなずいて門札を見ると、板の色も文字の墨も同じように古びて「片山四郎」と書いてある。これは豊吉の竹馬の友である。
『達者でいるらしい、』かれは思った、『たぶん子供もできていることだろう。』
かれはそっと内をのぞいた。桑園の方から家鶏が六、七羽、一羽の雄に導かれてのそのそと門の方へやって来るところであった。
たちまち車井の音が高く響いたと思うと、『お安、金盥を持って来てくれろ』という声はこの家の主人らしい。豊吉は物に襲われたように四辺をきょろきょろと見まわして、急いで煉塀の角を曲がった。四辺には人らしき者の影も見えない。
『四郎だ四郎だ、』豊吉はぼんやり立って目を細くして何を見るともなくその狭い樹の影の多い路の遠くをながめた。路の遠くには陽炎がうらうらとたっている。
一匹の犬が豊吉の立っているすぐそばの、寒竹の生垣の間から突然現われて豊吉を見て胡散そうに耳を立てたが、たちまち垣の内で口笛が一声二声高く響くや犬はまた駆け込んでしまった。豊吉は夢のさめたようにちょっと目をみはって、さびしい微笑を目元に浮かべた。
すると、一人の十二、三の少年が釣竿を持って、小陰から出て来て豊吉には気が付かぬらしく、こなたを見向きもしないで軍歌らしいものを小声で唱いながらむこうへ行く、その後を前の犬が地をかぎかぎお伴をしてゆく