일본어 읽기 연습

후리가나로 읽는 일본 고전

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しとかげ

死と影

坂口 安吾

坂口 安吾의 死と影(しとかげ)을 후리가나와 함께 일본어로 읽으세요. JLPT N2. 단어를 누르면 뜻이 나옵니다.

N2 · 고급 · 신자체·신가나 · 5,160자 · 11화면

아오조라 문고

昨年、私が、折あしく病人をかゝえて病院へ泊りこんでおり、外出の不自由なとき、思いがけず、ヤマサンから手紙をもらった。戦争中は自分のようなものにも徴用ということがあって、センバンを握り、手もふしくれて、油にまみれて働いた、国にお務めをした、というような、落ちついて澄んだ心のうかゞわれることが、タド/\しい文字で綴られており、今、宗十郎門下にいて、青年歌舞伎にでているから、見物してくれ、と書いてあった。行って見たいと思いながら、思うにまかせず、いまだに再会していない。

ヤマサンが、私に掻きくどいた言葉は、

「先生にお仕えしたい」

という、たったそれだけの表現であった。古典芸術の伝統の中で育って、まだ二十のヤマサンは、古典の品位を身につけており、かりそめにも、ミダラではなかった。たゞ、うるんだ目で、私を見つめ、悄然として、私の側をはなれない。

男色を妖怪じみたものにしか解さぬ私に、その有様は笑止であったが、然し、お仕えしたい、という言葉にこもる己れを虚うした心事には、胸を打たれずにいられなかった。

たしかにヤマサンの心事はそれが全部で、わが身を虚うして仕えるほかに、打算も取引の念もなかった。