일본어 읽기 연습

후리가나로 읽는 일본 고전

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ころされたてんいちぼう

殺された天一坊

浜尾 四郎

浜尾 四郎의 殺された天一坊(ころされたてんいちぼう)을 후리가나와 함께 일본어로 읽으세요. JLPT N2. 단어를 누르면 뜻이 나옵니다.

N2 · 고급 · 신자체·신가나 · 13,716자 · 27화면

아오조라 문고

俗に氏より育ちと申すことがございます、仮令公方様の御胤にもせよ紀州に生れて九州に流れ野に伏し山に育って来た天一坊が、公方様にも次ぐ位に似つかわしい筈はございませぬ。さすれば一人を高い位置におく事は天下に禍いを生む事になるのではございますまいか。

と申して天下の名奉行とも云われる御奉行様が、ほんとうの事実を曲げてもよろしいのでございましょうか。成程一人の生命を奪って天下を救う事は正しいように考えられます。けれども今の御治世に御法に依らないで其の一人の生命を奪う事が出来るものでございましょうか。而も事実はその一人は生命を奪われるどころか、栄貴を望む事の出来る立場に居るものでございます。御奉行様の御苦心は此処にあったのではなかったかと、私は恐れ乍ら御察し致して居るものなのでございます。

六

事実が判りました時はあれ程御失望なさったらしい御奉行様も、其の翌日から再び厳粛な面持でお勤めにお出かけになりました。其の頃、お役目向の方々の外に、伊豆守様はじめ高位の方々も頻りと御奉行様と往来をなされて居られましたのでございます。

或る日、夜更けて漸く御帰り遊ばしましたが、其の日は昼からずっとあの学者として名高い荻生様の御邸に参られ永く永くお物語り遊ばしたと申す事でございます。