후리가나로 읽는 일본 고전
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はは
母
宮本 百合子
宮本 百合子의 母(はは)을 후리가나와 함께 일본어로 읽으세요. JLPT N2. 단어를 누르면 뜻이 나옵니다.
N2 · 고급 · 신자체·신가나 · 8,021자 · 16화면
借金をしてまでの大望が娘によって裏切られた落胆についても、母はそれを率直にありのままは話さず、娘の大成のためには金銭をおしまず、堅忍をもって耐える母という風に道徳化して語った。それが又私の心に体の震えるような憎悪を呼び起すのであった。そういう矛盾は母の真情に対する同感をすっかり抱かせなくした。
母と私との生活が別々な軌道を持つようになってからは、母の文学的興味も一時下火となった。そのかわりに日本画の稽古がはじめられた。
その時分になれば、家の経済状態も少しはましになって来ていたのであったろう。私がたまに遊びに行くと、母は、葡萄や牡丹の墨絵を見せ、毛氈を敷いて稽古している二階の風通しのいい座敷へ呼ぶことなどもあった。ところが暫くで絵の稽古も中止になった。もう糖尿病になっていたので、下を向いていることは歯齦を充血させて体力が持たなかった。そのほか、後できくと、その絵の師匠は、絵筆をとっている合間に、家をたててくれなどと云い出したので、母は警戒して絵の稽古もやめてしまったのであった。
そのことは、日本画家の一種の紊風を示す話でもあり、又母が実際家であって、利害を守るにも鋭く、そういう点でも断乎としていたことをも示す面白い話だが、当時母はそんな事情はちっとも云わなかった。