후리가나로 읽는 일본 고전
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すいま
水魔
田中 貢太郎
田中 貢太郎의 水魔(すいま)을 후리가나와 함께 일본어로 읽으세요. JLPT N2. 단어를 누르면 뜻이 나옵니다.
N2 · 고급 · 신자체·신가나 · 11,727자 · 24화면
「よ」と、山西は声をかけた。
小女は立ちどまるようにして白い顔を見せた。
「みなわさん、昨夜もまたまいたね」
小女は莞と笑った。
「これからどこへ往くの」
小女は電車通りの方へ顔をやってみせた。
「いっしょに往っても好いの」
小女は頷ずくようにしながら歩いた。山西も跟いて歩いた。歩きながら、彼は……今晩こそ逃さないぞ、と、女に眼をはなさなかった。
小女は仲店の前を出はずれると、吾妻橋の方へ向いて車道の縁を歩いた。もうおしまいになりかけた電車には、ぼつぼつ人が乗り降りしていた。山西はふと小女を己の知っている花川戸の安宿へ伴れ込もうと思いだした。
「私の知った処へ寄らない、饗応するよ」
小女は莞と笑って見返ったが、
「あっちへ往きましょう」
「往く処があるの」
小女は頷いてずんずん歩いた。山西は、……この女はどうした者だろう、まさか野釣でもあるまいが、と思った。不審であったが、強いて云っては、女を恐れさすと思ったので、女の云うなりになって往った。
二人は吾妻橋の袂の交番の前を通って往った。入口に立っていた一人の巡査は、小女と壮い男の姿をじろじろと見ていた。山西はそれがうす鬼魅悪かった。