후리가나로 읽는 일본 고전
ja-reading.com
후리가나가 있는 일본 고전을 온라인으로 읽으세요. JLPT 수준으로 골라 보고, 단어를 눌러 뜻을 확인하고, 문장을 번역하세요.
みずとりてい
水鳥亭
坂口 安吾의 水鳥亭(みずとりてい)을 후리가나와 함께 일본어로 읽으세요. JLPT N2. 단어를 누르면 뜻이 나옵니다.
N2 · 고급 · 신자체·신가나 · 30,705자 · 62화면
ほかに金目のものがないわけではありませんが、私は財産を疎開させようなんて、考えちゃおりません。戦争ですから、職域を死守する、私は東京を動きません。一兵卒のつもりです。身辺の家財もうごかしません。死なばもろとも、です。けれども、書籍は文化財ですからな。私のは、特殊な専門図書ですから、金には換算できないものがあるのです。まア、見る人によりけりですがね。焼け残れば、よろこんでくれる人もあるでしょう。そして後世、役立つこともあるでしょう。私のためじゃアないのですよ。碌々たる私の一生でしたが、一つぐらい、ほめられることもしておきたいと思いましてね。いまわの感傷にすぎませんがね」
それが野口のカンにさわった。彼はさりげなく微笑して、
「とんでもないことです。そんな国宝的な品物はお預りできません。保管の責任がもてません。私はズボラですから」
「いえ、責任をもっていただく必要はありません」
「ダメ。ダメ。あなたがそう仰有っても、戦火で焼くとか、紛失するとか、してごらんなさい。野口はくだらぬ私物を大事にして、人から托された国宝的な図書を焼いてしまった、と後世に悪名を残すのは私ですよ。