후리가나로 읽는 일본 고전
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えいじつしょうひん
永日小品
夏目 漱石의 永日小品(えいじつしょうひん)을 후리가나와 함께 일본어로 읽으세요. JLPT N2. 단어를 누르면 뜻이 나옵니다.
N2 · 고급 · 신자체·신가나 · 50,000자 · 100화면
前に客待の御者が一人いる。御者台から、この有様を眺めていたと見えて、自分が帽子から手を離して、姿勢を正すや否や、人指指を竪に立てた。乗らないかと云う符徴である。自分は乗らなかった。すると御者は右の手に拳骨を固めて、烈しく胸の辺を打ち出した。二三間離れて聞いていても、とんとん音がする。倫敦の御者はこうして、己れとわが手を暖めるのである。自分はふり返ってちょっとこの御者を見た。剥げ懸った堅い帽子の下から、霜に侵された厚い髪の毛が食み出している。毛布を継ぎ合せたような粗い茶の外套の背中の右にその肱を張って、肩と平行になるまで怒らしつつ、とんとん胸を敲いている。まるで一種の器械の活動するようである。自分は再び歩き出した。
道を行くものは皆追い越して行く。女でさえ後れてはいない。腰の後部でスカートを軽く撮んで、踵の高い靴が曲るかと思うくらい烈しく舗石を鳴らして急いで行く。よく見ると、どの顔もどの顔もせっぱつまっている。男は正面を見たなり、女は傍目も触らず、ひたすらにわが志す方へと一直線に走るだけである。その時の口は堅く結んでいる。眉は深く鎖している。鼻は険しく聳えていて、顔は奥行ばかり延びている。