후리가나로 읽는 일본 고전
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さばくのこと
沙漠の古都
国枝 史郎
国枝 史郎의 沙漠の古都(さばくのこと)을 후리가나와 함께 일본어로 읽으세요. JLPT N2. 단어를 누르면 뜻이 나옵니다.
N2 · 고급 · 신자체·신가나 · 110,076자 · 220화면
あるいは「東洋の紐育」もしくは「東洋の桑港」――こう呼ばれている上海も、昔ながらの支那街としての県城城内へ足を入れれば、腐敗と臭気と汚穢とが、道路にも屋内にも充ち満ちていて、鋭い神経を持った人は近寄ることさえ忌み嫌った。
そういう不潔の城内を差してラシイヌは歩いて行くのであった。しかしラシイヌは目的地へすぐに行こうとはしなかった。彼は自分のいる英租界を、黄浦河に沿って悠々と、仏租界の方へ歩いて行った。彼の道順には租界中での一番賑やかな街筋が――すなわち黄浦河の岸上の街と、蘇州渓の街とが軒を並べ、街路整斉と立っている。街には人が出盛っていた。馬車、自動車は鈴を鳴らし、広い車道を馳って行く。三層五層の大厦の窓は、悉く扉を開け放され忙しそうに働く店員達の小綺麗な姿が見えている。上海棉花公司とか、広徳泰軋花廠とか、難解の文字の金看板が、家々の軒にかかっていて、夕陽にピカピカ光っている。九江路を右に曲がり、福建路を行き尽くし、それから初めて仏租界へ、ラシイヌはゆっくり足を入れた。
英租界の繁華に比較しては、仏租界の方はやや寂しく、その代り上品で粋であった。