후리가나로 읽는 일본 고전
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さばくのこと
沙漠の古都
国枝 史郎
国枝 史郎의 沙漠の古都(さばくのこと)을 후리가나와 함께 일본어로 읽으세요. JLPT N2. 단어를 누르면 뜻이 나옵니다.
N2 · 고급 · 신자체·신가나 · 110,076자 · 220화면
水面には支那船が浮かんでいる。その甲板には柩のような例の黒箱が置いてある。それを囲んで群像のように彼らの一団が彳んでいる。船尾には血のような火光を放す燈火が一つ据えてある。彼らは寂然と静まり返り、河の下流へ眼を注いで何物かを待っているらしい。遙か彼方の対岸の方にも血のように赤い燈光がさも物凄く点っている。その物凄い燈光とこっちの赤い燈光とは合図し合っているらしい。
四辺は寂然ひそまり返り、諸所の波止場や船渠の中に繋纜りしている商船などの、マストや舷頭に点されている眠そうな青い光芒も、今は光さえ弱って見えた。どこやらの時計台で幽かに午後九時の時刻を報じている。
支那船の中の一団は依然として静かで無言である。やっぱり下流を眺めている。木蔭に隠れているラシイヌも位置から動こうともしなかった。彼らの様子を眺めている。
こうして幾時間経たろうか、時計台の時計はその度ごとに陰気な音を響かした。こうして時計が午前三時を物憂く三つ打ち終えた時、下流の方から闇を分けて一隻の船があらわれた。小型ではあるがその代わり速力の速やそうな商船である。その商船の速力はやがて徐々に緩るくなった。