후리가나로 읽는 일본 고전
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さばくのこと
沙漠の古都
国枝 史郎
国枝 史郎의 沙漠の古都(さばくのこと)을 후리가나와 함께 일본어로 읽으세요. JLPT N2. 단어를 누르면 뜻이 나옵니다.
N2 · 고급 · 신자체·신가나 · 110,076자 · 220화면
それ漕げ! と、僕の命令と一緒に力任せに漕ぎ出したね。海賊どもはそのうちにこっちの船へ乱れ入ってあらゆる掠奪を行ったあげく暴逆なる撃沈を実行して悠々と引き上げて行ったんだが、天の佐けというものか僕らの乗っている短艇の姿を彼らは発見しなかったらしい。追撃される心配もなく僕らは短艇を漕ぎ進めた。しかしどこまで漕いで行っても陸らしいものの影も見えない。そのうちに夜がやって来た。その夜が明けても陸が見えない。その時の僕らの失望と云ったら……空腹と熱さと喉の乾きとで誰も彼もみんなへばったものさ。やがてまたもや夜となった。みんなは漕ぐのを止めてしまって仰向けに船の中へ寝たものだ。僕だってご多分に洩れはしない。じっと空の星を見詰めながらあぶなく涙を落とそうとしたね。陸の上ならともかくも鰐の住む南洋の波の上では腕の振るいようもないからね。そのうち僕はうとうととした。幾時間寝たか覚えはないがかなり眠ったことだろう。ハッと眼が覚めて前方を見ると朝陽に照らされた護謨林が壁のように立っているじゃないか! 思わず僕は飛び起きたね。そうしてみんなを揺り起こして船をその岸へ着けたものさ。