후리가나로 읽는 일본 고전
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さばくのこと
沙漠の古都
国枝 史郎
国枝 史郎의 沙漠の古都(さばくのこと)을 후리가나와 함께 일본어로 읽으세요. JLPT N2. 단어를 누르면 뜻이 나옵니다.
N2 · 고급 · 신자체·신가나 · 110,076자 · 220화면
宝庫を探しに行こうとした。私は費用を使い果たしてこの時全くの無一文であった。そこで私はいろいろに考え私のいつもの十八番の手で南洋航路の英国船の料理人として雇われた。明日はいよいよ出航というその前の日の宵の中を私は公園の柵の外の海岸通りを歩いていた。公園の中の楽堂では管の音が聞こえている。青葉を渡る風の音が公園の並木に当たっている。大変和やかな夜であった。私は何気なく前を通ると面紗を冠った若い女が足早に向こうへ歩いて行く。姿こそ変っているけれど何んで彼女を忘れよう! それは紅玉に相違ない。それからの私の行動は自分ながら愚劣に思われる……やにわに私は走りかかって紅玉を腕に引っ抱えた。紅玉の背後から追跡けて来た一人の大きな欧羅巴人が突然私の邪魔をした。……不意にその時闇の中から無数の人間が飛び出して来て私と欧羅巴人とを打ち倒し紅玉を箱の中へ入れようとした。……箱から現われ出た大猩々! 私はそのまま気絶して再び呼吸を吹き返した時には四辺は寂然と静まり返り、一人さっきの欧羅巴人が死んだように倒れているばかりだ。私の負傷は軽かったので疲労れた足を引きずり引きずり、汽船の料理人部屋へはいり込んで深い眠りに墜ちてしまった。