후리가나로 읽는 일본 고전
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さばくのこと
沙漠の古都
国枝 史郎
国枝 史郎의 沙漠の古都(さばくのこと)을 후리가나와 함께 일본어로 읽으세요. JLPT N2. 단어를 누르면 뜻이 나옵니다.
N2 · 고급 · 신자체·신가나 · 110,076자 · 220화면
十二
紅玉を失った張教仁の、その後の生活は悲惨であった。燕楽ホテルの自分の室で、じっと悲嘆に暮れるのでなければ、北京の市街を夜昼となく、紅玉を探して彷徨うのであった。紅玉の行衛をさがすためには、彼はもちろん警務庁へもすぐに保護願いを出したのではあったが、警務庁では相手にしない。相手にしないばかりでなく、こんな事をさえ云うのであった。
「事件の性質が性質ですから、屍骸を見つけるのならともかくも、生きている女を見つけようとしても、それは不可能のことですよ。この警務庁の庁内にもそういう事件がありまして、班長が命を失いました」
こんなような訳で、警務庁では、事件を冷淡に扱かって、行衛をさがそうともしなかった。
張教仁の身にとっては、紅玉は仕事の相棒でもあり、二人とない大事な恋人でもあった。その紅玉を失ったということは、精神的にも物質的にも、大きな打撃と云わなければならない。そしてもちろん彼にとっては、物質的の打撃よりも、精神的の打撃の方が遙かに遙かに大きかった。もしも紅玉が永久に、彼の手に戻らないとしたならば、彼の性格はそのことのために、一変するに相違ない。