후리가나로 읽는 일본 고전
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なきむしこぞう
泣虫小僧
林 芙美子
林 芙美子의 泣虫小僧(なきむしこぞう)을 후리가나와 함께 일본어로 읽으세요. JLPT N2. 단어를 누르면 뜻이 나옵니다.
N2 · 고급 · 신자체·신가나 · 34,906자 · 70화면
弁当の中には、啓吉の好きな鮭がはいっていたが、珍しい事に茄で玉子が薄く切って入れてあった。
その玉子を見ると、母親は自分を置いて行く事にきめていたのに違いなかったのだと、また、新しく涙があふれた。
弁当が終ると、啓吉は井戸端へ回って、ポンプを押しながら、水の出口へ唇をつけてごくごく飲んだ。水を飲んでいると、まだその辺で、「啓吉!」と母親が呼んでくれそうな気がして、母親が始終つかったポンプ押しの握るところを、そっと嗅いでみた。冷い金物の匂いがするきりで母親の匂いはしなかった。啓吉はランドセールを肩にすると、夏の初めにやって来る若布売りの子供のような気がして、何だか物語りの中の少年のように考えられ出して来た。
二十四
省線で、啓吉が渋谷の駅へ降りると、改札口を出て行く勘三の姿が目に止まった。勘三は花模様の羽織を着た若い女の連れがあった。
「叔父さん!」
啓吉は走って行ったが、勘三は女の人と熱心に何か話しているらしく、振り返りもしないでずんずん歩いて行った。啓吉は改札口で切符を返して小走りに追ってみたが、ランドセールが、がらがら音がするので、きまりが悪くなって立ち止まったりした。