일본어 읽기 연습

후리가나로 읽는 일본 고전

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ふどうするちか

浮動する地価

黒島 伝治

黒島 伝治의 浮動する地価(ふどうするちか)을 후리가나와 함께 일본어로 읽으세요. JLPT N2. 단어를 누르면 뜻이 나옵니다.

N2 · 고급 · 신자체·신가나 · 14,079자 · 29화면

아오조라 문고

そこで兄は、さきの妻のトシエと、笹の刈株で足に踏抜きをこしらえ、臑をすりむきなどして、ざれついたり、甘い喧嘩をしたり、蕨をつむ競争をしたりしていた。

トシエは、ひょっと、何かの拍子に身体にふれると、顔だけでなく、かくれた、どこの部分でも、きめの細かいつるつるした女だった。髪も、眉も、黒く濃い。唇は紅をつけたように赤かった。耳が白くて恰好がよかった。眼は鈴のように丸く、張りがあった。たゞ一つ欠点は、顔の真中を通っている鼻が、さきをなゝめにツン切られたように天を向いていることだ。――それも贔屓目に見れば愛嬌だった。

彼女の家には、蕨や、いたどりや、秋には松茸が、いくらでも土の下から頭をもちあげて来る広い、樹の茂った山があった。

「山なしが、山へ来とるげ……」

部落の子供達が四五人、或は七八人も、手籠を一つずつさげて、山へそう云うものを取りに行っている時、トシエは、見さげるような顔をして、彼女の家の山へは這入らせまいとした。

子供なりに僕は、自分の家に、一枚の山も、一段歩の畠も持っていないのを、引け目に感じた。それをいまだに覚えている。その当時、僕の家には、田が、親爺が三年前、隣村の破産した男から二百八十円で買ったのが一枚あるきりだった。